遺産分配ってすごくストレス
浜松市の「すずきあきら行政書士事務所」の事務員のえりかです。
前回まで3回に渡って「相続の3つの方法」である『法定相続』と『遺言書による相続』の2つの方法について書かせて頂きましたが、今回はいよいよこのテーマの最後の方法である『分割協議による相続』について知識を深めていきたいと思います。
以前にも記しましたが、『分割協議による相続』とは、相続人全員で協議して遺産の分割方法を決める相続のことをいいます。
簡単に言いますと、「相続に関係する家族全員で遺産をどのように分けるか話し合いをする」ということになります。
相続が発生した時、遺言書があればその内容に従って遺産が分けられますが、遺言書がなかったり有効でなかったりすると、法定相続人が法定相続分に応じて遺産を取得することが原則になります。
そこで、相続人が複数いれば、誰がどの遺産をどのくらい相続するのか決める必要があり、遺産分割協議、つまり話し合いを行うのです。
遺産分割協議を行う場合、「共同相続人」全員が参加する必要があります。
(「共同相続人」とは、遺産相続が起こった時に、共同で相続人になっている人のことをいいます。遺産相続が起こる時、相続人が1人だけとは限りません。配偶者と子供がいたり、配偶者と兄弟数名が相続人になったりすることがあります。このように、複数の相続人がいる場合、それらの相続人のことを「共同相続人」といいます。)
「共同相続人」は1人でも抜けていると、協議は無効になってしまうので注意が必要です。
また、相続人の中に未成年者がいる場合には、未成年者の法定代理人(代理人の一種で法律により代理権を持つことができる人)が遺産分割協議に参加する必要がありますし、認知症などで自分では判断能力がない相続人がいる場合には、成年後見人(認知症や知的障害等の精神上の疾患により、判断能力が著しく低下した方の財産を保護するために、家庭裁判所から選任されて、ご本人の財産保護や身上監護を行う人)を選任してもらって、後見人が遺産分割協議に参加する必要があります。
続いて、遺産分割協議に入る前の準備について記していきます。
まずは、相続人を明らかにする為に、相続人調査をします。
被相続人が生まれてから亡くなるまでに至る全ての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本等を取得して被相続人に隠し子などがいないか調べましょう。
特に、被相続人が何度も結婚や離婚を繰り返している場合、お互いに行き来のない前妻の子供などがいるケースもあるので注意が必要です。
被相続人が認知した子供も相続人になるので、きちんと遺産分割協議をする旨の連絡を入れて参加してもらいましょう。
次に、相続財産調査も必要です。
遺産分割協議をする場合、どの財産を対象にして分割するのか決定する必要があるからです。
遺産分割協議後に新たな遺産が発見された場合、その遺産を誰が取得すべきかまた話し合いをする必要が起こってしまい面倒です。
そこで、遺産分割協議前に被相続人の預貯金や株、投資信託やゴルフ会員権、不動産など、相続人が知らない財産がないかどうか、しっかり調べましょう。
相続人調査と相続財産調査が終わったら、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議の方法は特に決められた方式はないので、相続人が全員集まって任意で話し合いをすることになります。
遠方の相続人がいる場合は、郵便や電話、FAX等を利用して話し合いを進めても構いません。
全ての相続人が遺産分割方法について合意したら、その内容で遺産分割協議書を作成して遺産分割協議を終了します。
【遺産相続相談窓口ホームページより参照】
私の家族の話になりますが、今から十年以上前に祖父が亡くなり、祖母、父、父の兄弟全員で遺産分割協議書を作りました。
我が家の場合、祖父が生前に、誰にどの遺産をどの位渡すか父たちに伝えていた為、祖父の死後はその配分に従って、揉めることなく遺産分割協議書を作成することができたようです。
祖父が亡くなってから十年以上の月日が経ちますが、遺産の分配について文句をいう人もなく平和に暮らせています。これも、遺産分割協議書として、法に守られた揺るぎない形として残せたことが一つの要因になっているのではないかなと思います。
そして、親族全員が揉めることなく平和に暮らしていることは、何よりも天国の祖父が一番喜んでいるのではないかと思うばかりです。
将来の相続で揉めたくない方、親族の平和な未来を心から望む方…相談や疑問など何かお聞きしたいことがありましたら、お気軽に「すずきあきら行政書士事務所」の無料相談をご利用くださいませ。
対応地域:静岡県西部(浜松、豊川)中部(磐田、掛川)など。